Dental Information


Use the right tool for the right job
The Wisdom Tooth by Wynn H. Okuda, D.M.D.

4話 機能正しい専門道具のススメ 今月のタイトルは歯科記事としてはちょっと変わっていませんか。ここで私が言いたいのは、あなたの笑顔を保つためのちょとした予防が最良の治療法になるということです。プロアクティブ(起こりえる状況を想定してあらかじめ行動に移すこと)が、将来の成果につながるはずです。プロアクティブに行動することで、多くの利益を得ることができるのです。 まず、歯や歯の周りにダメージを与える悪い癖というのがいくつか考えられます。あなたの歯はちょっとやそっとでは欠けないと過信しているかも知れませんが、事実はそう甘くははありません。歯は食べ物を噛んだり最高の笑顔を演出したりはしますが、大工道具ではありません。道具が必要なら、日曜大工のショップに行ってそれ専用のツールを買うほうが、ずっと安上がりでしょう。あなたの歯をレンチやペンチ、くるみ割り、はさみやナイフ、栓抜きや爪切りでとして使うのは大間違い。冗談ではなく、実際にそういった乱暴な使い方は誰にでも思い当たる経験ではありませんか?歯のエナメル質は人間の体でもっとも硬い部分なのは事実ですが、それを耐久性実験の道具として使うのはやめましょう。 ただ簡単だからというだけの理由で、歯を使って食べ物の袋を開けたり、ピスタチオの殻を割ったり、ヘアピンをこじ開けたり、爪を噛んだり、CDの包みをやぶって開けたりしていませんか?こんなことの繰り返しで、知らないうちに歯を傷つけているかもしれませんね。また、氷の固まりを噛みくだいたり、ポップコーンのポップしなかった豆を噛んだり、コーラやシトラス系のドリンクを常飲することも、歯にダメージを与える原因となります。 しかし実際に歯が折れてしまったときには、診断後すぐに治療を開始することが大事です。多くの場合、治療を先延ばしにするのは、歯の健康にとって非常に悪い結果を招きます。歯科医が虫歯を見つけたとしても、治療が遅れてしまえば虫歯はひどくなり、歯髄にまで達してやがて神経治療を要することになるでしょう。治療を怠れば歯がぐらついて不安定になり、やがて抜けてしまうかもしれません。また歯肉炎だと診断されたら一刻も早く治療を始めましょう。致命的な歯周病にいたらずに防ぐことができます。神経治療が必要と診断された場合には、歯の炎症具合によっては治療を先に延ばす方法がとられることもあります。同じように、親知らずを抜くときにも、痛みや炎症、不快感が治まるまで待つこともあります。 子供の頃は虫歯皆無の健康優良児だったから、といって油断してはいけません。口内のバクテリアや、食習慣・体質の変化などで、年を経るにつれ歯周環境は悪化します。日頃からの予防的ケアの徹底が肝要です。 毎日の歯ブラシやデンタルフロスの使用は、家庭内でできるケアの基本です。American Dental Association/米国歯科学会が保証するやわらかいタイプの歯ブラシを使いましょう。大好きな動物のマスコットがついているとか流行のデザインだからという理由で選ぶのは無意味です。また値段が高いからその歯ブラシが高品質で歯に安全だとは限りません。G.I.ジョーのカンフースタイルの握り方を真似して力強く歯ブラシを動かしても、歯を磨耗するだけです。上下、円を描くように、やさしくブラッシングすることが重要なカギです。強すぎるブラッシングはエナメル質を削ってしまい、歯肉の後退を引き起こします。ブラッシングやフロスの上手なやり方については、歯科衛生士に相談しましょう。 歯科医院での専門的な歯のクリーニングと定期検診は、虫歯や歯周病の予防にとても重要な役目を果たします。歯科衛生士によるクリーニングは、歯周病のもととなる溜まった歯石や歯垢(プラック)を取りのぞく唯一の方法です。またクリーニングでは、歯垢の溜まりやすい歯の表面を磨くことができます。歯科衛生士は6ヶ月の間にたまった歯垢と歯石をもとに分析して、どこを重点的にブラッシング/フロスをすればよいかを、適切に指導してくれるでしょう。定期検診によって、歯や歯肉の症状が悪化する前に早期発見することができます。 最後に挙げる悪癖といえば、やはりタバコでしょう。普通のタバコや葉巻はもちろん、噛みタバコも歯に悪影響を及ぼします。喫煙者は常に歯肉の病気や喉頭がんになる危険性があります。禁煙は喫煙者にとっては難題ですが、やはりまず「喫煙は歯や口内の健康を害する悪癖である」と再認識することが大事です。さらに禁煙によって節約できるお金のことも考えてみれば、どちらが得かは一目瞭然です。 あなたのすばらしい笑顔を最優先することによって、歯の病気、不快感、余計な出費を防ぐことができます。常に予知行動と予防策をとることで、あなたがもっている悪癖が深刻な病気へと悪化していくのを、事前に防ぐことができるでしょう。そのためには、まず専門歯科医の定期検診を受けること。またブラッシングとフロスの正しい使用法をマスターするなど、家庭内でできるケアを忘れずに行いましょう。常日頃から自覚した歯の健康管理こそ、おいしい食事・幸福感・そして健康的な笑顔を得るための適切な手段だと言えるでしょう。





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